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郷中教育シリーズを始めるにあたって
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最近の世相を見ますと日本各地で子供による陰惨な事件が相次いでいます。
「何か日本全体がおかしい」という思いがぬぐえません。
戦前まであった鹿児島の独自の郷中(ごじゅう)教育(加治木の青雲舎などは現在も活動中)の
その素晴らしさや内容にスポットを当てる事により、何か救いになればと
このシリーズを始めようと思い立った次第です。
特に強調したいのは郷中では何を教えていたかと言う事です。
例えば綱引行事を例に取りますと十五才を頭に下は六才の子供まで寄付集めから始まって
材料の買付け、終了後の綱の販売、それで得た金銭でノート・鉛筆を買い年齢毎に分配する、
十五才のリーダーが次の年の為に十四才に引き継ぎ終了する。
十六才になると各郷、方限(ほうぎり)ごとの郷中教育の舎に加わる。
この舎は二十一才を頭に運営されここで勉学、武道、道徳、倫理を教えこまれる。
この一連の流れで愛、慈しみの心が自然に育って行く。
そして、先輩が後輩を慈しみ、後輩が先輩を敬愛する心が芽生える。
こういった薩摩の誇れる教育を振り返る事により、日本中の子供たちが
人間本来の姿に戻ってくれる事を心より願って止みません。
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郷中教育(ごじゅうきょういく)について
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| 郷中教育は、島津義弘公の頃に確立された400年の歴史を持つ薩摩藩独特の青少年教育のことです。薩摩藩では、地域の小単位を郷(方限〈ほうぎり〉)と称して、方限ごとにそこに住む上は21歳から下は15歳までの青少年達が自発的に学習団体を編成し、学舎で学んでいました。心身を鍛え、廉恥を重んじ、礼節を大事にする知・得・体の調和のとれた人格形成を基盤におくこの教育は、西郷隆盛や大久保利通、東郷平八郎など多くの人材を育ててきました。 |
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ここでの逸話はご年配の方々のお話や古文書・文献を参考に独自の解釈を加えてご紹介しています。
毎月更新しますのでお楽しみに! |
| 郷中教育18 日新公「いろは歌」―その7(む〜の) |
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「む」…昔より 道ならずして おごる身の 天のせめにし おはざるはなし
・昔から道に外れておごり高ぶった者で天罰を受けなかった者はない人は正道をふんでおごりを遠ざけ、神を敬い教えを守っていきなさい。
「う」…憂かりける 今の身こそは さきの世と おもえば今ぞ 後の世ならむ
・いやなことの多い現世は前世の報いの結果である。現世の行の報いは後の世の姿である。現世の行いを大切にしなさい。
「ゑ」…亥にふして 寅には起くと 夕露の 身をいたずらに あらせじがため
・亥(午後十時)に寝て、寅(午前四時)に起きると昔の本に書いてある。朝早く起きて夜遅く休むのも、それぞれの勤めを果たすためである。無用な夜遊びをして露のような自分の身を誤るようなことがあってはならない。
「の」…のがるまじ 所をかねて 思いきれ 時にいたりて 涼しかるべし
・人にはどうしても命をかけなければならない時がやってくる。日ごろから覚悟を決めておけば、万一の場合にも少しの未練もなく気持ちが清らかである。
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語句説明
(注釈) |
●道ならずして…道に外れて ●天のせめにし…天の責めを(天罰を) ●おはざるはなし…負わなかった者はいない ●憂かりける…憂いの多い ●さきの世と…前世だと ●後の世ならむ…後世になるであろう ●亥にふして…亥の刻(午後十時)に寝て ●寅には起くと…寅の刻(午前四時)には起きるのは ●夕露の身をいたずらに…夕露のような自分の身をむやみやたらに ●あらせじがため…過ごさせないためである ●のがるまじ…逃れられない ●所をかねて思いきれ…場面をかねてから覚悟を決めておきなさい ●時にいたりて…(万が一)その時が来たとしても ●涼しかるべし…清らかですがすがしいはずである |
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